▼所在地:常光寺4-1-2
『杜の聲』第9号(平成30年11月吉日発行)
「地域の企業紹介 第5回」掲載(一部加筆訂正)
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昭和25年1月5日
初出の日
当社は大正3年(1914)三月に創業して以来、平成26年6月1日(2014)に百周年を迎えることができました。関係各位に心から厚く御礼を申し上げます。
私の祖父、中井惣次郎が川辺郡小田村の一隅である神崎町内に創業し社名を中井組としました。
当時、馬小屋があり馬を6~7頭飼育しておりましたが(戦時中、この馬達は徴用される)、その馬に荷車を取り付け馬力車として、近在の米・麦・俵・農作物・木材・各種材料・製品等の運搬を主な業とし、大工業も兼ねておりました。幸い男五人、女四人の子宝に恵まれ子女の成長と共に互いに協力し合い、土木建築業にも事業を広げていきました。ところが昭和16年(1941)12月8日、我が国の真珠湾攻撃に端を発した太平洋戦争の開戦により息子達五人が次々に応召され戦地へ向かうこととなり事業中断の止む無きに至りました。昭和20年(1945)8月15日に終戦を迎えましたが、戦地より復員したのは息子5人の内・・・次男 惣一郎(父)、三男 茂(叔父)、四男 計雄(叔父)の3名のみで・・・長男 正と五男 修の2人はついに帰らぬ人となりました。
かくして戦災復興に少しでも役に立つようにと、息子三人を中心として、手始めに国鉄尼崎駅周辺を中心に戦災で散乱している石材・ガラをかき集め、道路の凸凹埋め、整地等に取り組むことから中井組の事業再開が始まりました。その間、三人にとっての戦友が次々と復員をし始め、その人達や戦時中組織されていました在郷軍人会等のご縁を蒙り、市内のキリンビール・関西ペイント・大日本セルロイド・東洋紡績等々戦禍にあった各工場の復興に助力を依頼され、創業者、兄弟3人は全力を傾注しました。而して昭和23年(1948)5月、この常光寺の地で祖父惣次郎は相談役に、次男 惣一郎が二代目社長を継ぎ資本金百万円(現在は参千二百万円)の法人を組織し株式会社中井總組を設立しました。昭和23年~41年(1966)頃迄、尼崎・大阪・豊中・伊丹等各市・府・県等の入札に参加し、小・中学校、市営住宅等の建設・下水道管敷設・道路舗装・橋梁等の土木工事等々市民生活に直結する工事を落札指名により次々に受注しました。
勿論、その間、キリンビール、関西ペイント・大日本セルロイド・利昌工業・日本ブラッドバンク等を始め一般の住宅・倉庫・店舗等の建築、改修も多数受注し、同時に頃合いを見計らいながら、宅建免許を取り、所有の、或いは買い取った敷地に住宅を建て分譲住宅販売にも仕事を拡げました。前後しますが昭和40年(1965)1月、二代目惣一郎の長男である私が副社長として入社し、その後創業六十周年稲荷祭を斎行した昭和49年(1974)6月1日三代目社長に就任しました。
昭和42年以降、官公庁の入札請負仕事は字句の如く、受けて負けること多く、その状況下二代目(父)は、その入札業務から徐々に撤退。私の代になり、先述の不動産業務の経験から、独自の創意工夫をし、多様な顧客とのきめ細やかな対話を重視する方向へと業務を転換していきました。最大の転換は岸和田土生町(現葛城町)に於いて、昭和41年、四万坪(約十二万平米)の山林を買収し、宅地開発(一区画七十坪・総区画五〇〇区画)。昭和43年10月頃より宅地分譲を始め、年間三十区画~五十区画限定で四大紙に販売広告を掲載しましたところ大好評を博し、約十年後の昭和52年(1977)には遂に完売し当社にとって不動産業務進出の一大エポックとなりました。ついで、昭和50年(1975)当社敷地約千三百坪(四千三百平米)を元県会議長の故梶本正様より「営業倉庫として有効活用してはどうか」との助言を受け、四倉庫を造設し、更に県道山手幹線沿いに所有していた土地に三倉庫を建て海運局より正式認可を受け、キリンビール・大同製鋼・日本通運等の荷主を経て三菱電機(伊丹製作所)・王子製紙(尼崎工場)の各物流専属会社から入出庫保管業務を委託され、確実な業務として今日に至ってます。
元より、創業時からお客様とのご縁により育んで参りました建築部門に加えて昭和55年(1980)頃より個人住宅・マンション・各会社の工場、事務所、倉庫等々の既存建築物は勿論、樋一本・溝蓋一枚からでも即対応する改修・リニューアル部門を四本目の業務の柱として推進し成長の一途を辿っています。
以上、当社の四本柱 建築・不動産・倉庫・リニューアル部門を中心に更に業務を展開させ、目下他社で勉強中の四人の息子たちに繋いでいきたいと考えております。
当社では創業時より稲荷大明神をお祭りしており、毎朝全社員が社殿前に集合の上、「家族共々一日が無事でありますように」と祈る祝詞を奏上。皇大神社さんとのご縁は、現宮司は元よりお祖父様、ご尊父様、更には禰宜のご子息と四代に亘っています。毎年六月一日開催の当社創業稲荷祭を始め、地鎮祭、上棟式他お祓いの儀式等を斎行いただき懇切丁寧な祝詞奏上に感謝致しております。同時にこのご縁が永遠にと希いつつ地元の皆様にもより当社をお知りおきを願いますと共に、ご教導くださいますよう心からお願い申し上げ、筆を置きます。
平成26年6月1日
創業100周年稲荷祭